
こどもとつくる簡単かわいい和のロールケーキレシピと美しい切り方のコツ
1 巻きやすくて切りやすいミニミニロールケーキ
2月の行事といえば「節分」「バレンタイン」。
そして、わたしたちひとを含め、動植物にとって自然な月のリズムでは、今年は2月5日が新年です。
新しい年の始まり、気の置けないひとたちとの冬の集いに、細くてかわいい和のロールケーキをつくってみませんか?
巻きずしのようにまきすを使うと簡単です。
小さなスポンジケーキを、オムレットのように一周折りたたむだけなので難しくありません。
生クリームの代わりに、白いんげん豆からできる白あんを使うので、室温でも「だれない」「つぶれない」。
お子さんでも「切りやすい」「扱いやすい」ですよ。
スポンジケーキは、卵や乳製品なしのものを焼いたり、市販のものを利用すればさらに簡単。
正方形や長方形の焼き型がなくても、円のままでOK。
スライスして使うので、ひとつのスポンジケーキから3~4個できますよ。
ワンカットずつ密封して冷凍保存しておくと、急なお客さまにもそのまま出せて、みんながゆったりできます。
あたたかいお番茶やお煎茶と合いますよ。
2 簡単でかわいい桜の塩漬けロールケーキの作り方
春につくった桜の塩漬けを刻み、あんクリームに練りこみました。ほんのりきいたお塩と桜の香りが、和の気分。
材料については、おうちの方針によって、いかようにもアレンジなさってくださいね。
<材料>
・スポンジケーキ 1枚
・白あん 適量
・桜の塩漬け 適量
<作り方>
*厚いと巻くときに割れやすいので、通常の1/3~1/4の高さがおすすめです
*正方形の型で焼くと、端まで包める本式ロールケーキになります
*写真では、まきす、オーブンシート、スポンジケーキの順に置いています
*白あんは手作りでも、市販のものでもOKです
*泡だて器でよく混ぜると口当たりがよくなります
*お好みで、生クリームを加えると、クリーミーに。写真は2割加えたもの。
(3)みじん切りした桜の塩漬けを、お好みの混ぜます
*余分な塩を落としておきます
*花びらだけを使うとより美しい
*味見しながらお好みのしょっぱさに
(4)スポンジケーキの中央にあんクリームを乗せます
*いちごなどのくだものを入れる場合は、中央に一列になるように
(5)まきすでくるりと巻いたらできあがりです
*ちいさなお子さんなら、両手で両端から持ち上げてはさむと簡単です
*まきすに巻いたまま冷やして形を安定させると、切り分けやすいですよ。
3 ロールケーキがつぶれない美しい切り方5つのコツ
断面がぼろぼろになったり、むぎゅっとつぶれたりすることはありませんか?
おうちの包丁でも美しく切れますよ。
(1)なじませる時間をおく
組み立ててすぐではなく、なじむまで少し時間をおくとよいです。
いうなれば、材料のみなさんが一体感を持つ時間。
ロールケーキやホールケーキに限らず、サンドイッチ、巻き寿司、押し寿司もしかりです。
その間に、片付けやセッティングなどをすれば、待ち時間を有効活用でき、ロールケーキも待たれているプレッシャーを感じないかも。
(2)ケーキを冷やす
今回はあんクリームなのでしっかりしていますが、よりしっかりします。
クリームの配分が多い場合はことさらです。
まきすに巻いたまま、乾燥しないように袋に入れて、冷蔵庫に入れておくとよいです。
断面の摩擦をできるだけ減らすことが、美しく仕上げることにつながります。
50度くらいのお湯であたためたナイフは、接したクリーム部分を一瞬溶かすので、つきにくくなります。
ケーキをしっかり冷やしていると、すぐに断面が形を保つので美しくなります。
(4)切る度にナイフを拭く
同じく、摩擦を減らすためです。
上記の工夫をしていても、多少クリームや生地はつくものです。濡らした布巾やペーパーで拭き取りましょう。
(5)ナイフは前後に動かす
下に押すのではなく、そっと前後させるとよいです。
あせらず、ナイフの重みで降りていくイメージで動かすと、きれいに切れます。
その他、ナイフの代わりに「清潔な糸」を使う方法もあります。糸の素材はなんでもOK、毛羽のない細いものがよいです。
ロールケーキの切りたいところに糸を回して、交差させ、引いて、抜き取ればできあがり。
こちらも一回ごとに拭くか、あたらしい部分を使うときれいですよ。
4 切り方やトッピングのアレンジ
(1)和三盆×金箔
白あんクリームだけを巻き、和三盆と金箔を飾ったシンプルな「和三盆ロール」。
(2)桜塩×ホワイトチョコレート
桜の塩漬けの塩を混ぜた白あんクリームにホワイトチョコレートをちらした「ホワイトロール」。
(3)黒豆×抹茶
荒く刻んだ黒豆を加えた白あんクリームに抹茶をふらせた「黒豆抹茶ロール」。
おじいちゃんの無農薬黒豆と、自然栽培抹茶です。
スポンジケーキの生地に、ココアや炭のパウダーを混ぜると、色味の変化も楽しめます。
(4)栗×さつまいも
刻んだ栗きんとん、または焼き芋や焼き栗を混ぜ込んだ「モンブランロール」。
生地に塗るクリームに、洋酒を加えるのもよし。
カットしてから、さらに自由にデコレーションすると楽しいですよ。
刻んだ栗が口金に詰まる時は、ビニール袋に入れて小さな穴をあければしぼれますよ。
(5)その他のロール
春のいちご、夏のいちじくやブルーベリー、秋のぶどう、柿に梨、冬のみかん…。
バナナなど年中あるフルーツや、柚子などのジャムも、季節問わずのお助けアイテムです。
5 ロールにならなくてもいい
美しい巻き方や切り方をご紹介しましたが、本当はなんだっていいのです。
「つぶれた!」「たおれた!」と笑っていただけば、ますますおいしいかもしれませんね。
大切なひとたちと、または自分へのごほうびに、お茶の時間を持てることはなんとありがたいことでしょうね。
おなかと相談しながら、前後の食事で調整して、おなかもこころもすっきりぽかぽか。
暦の上では立春ですが、まだまだ気温の低い時期。どうぞあたたかい時をお過ごしくださいませ。
「この時代に、この場所に生まれた、いま持っている心と身体で、この季節に、ここで手に入るものを、大切な人とまるごと味わう」をモットーに、簡単な英語表現を交えながら、四季の行事や暮らしの手作りを楽しむ教室「こども寺子屋」「おとな寺子屋」を主宰している。
ブログ:五感まるごと☆四季を愉しむ寺子屋だより -What a Wonderful Everyday Life in Japan!-